幼少期の遊びについて考える【前編】

「遊んでばかりいないで勉強しなさい!」子どもの頃よく親に言われたものです。
でもそれは学校に入ってからのこと…。我々が取り組んでいる幼少期の教育・保育においては、本当に遊んでばかりではダメなのでしょうか?


自分の子ども時代の遊び場は、野原や土手、自然の草花に囲まれたフィールドで、夕暮れになるまで遊びに没頭していたものでした。今ではキケンと言われるような遊びも当時としては普通の遊びでした。もちろんその中でケガもしたり、痛い思いをたくさんした覚えもあります。ただ、振り返ってみればそうした経験を重ねることで「自分の身を守る術」も身につけていたように思います。


我々の時代と違って、犯罪の凶悪化や公園の減少など遊ぶ環境が激変しています。また、小・中・高と進学するに従って社会自立へ向けての集団行動が求められ、勉強や受験等にも向き合う中で自由に遊べる時間も少なくなり、主体的に思いっきり遊べる時期はほぼ幼少期しかないのではないかと思います。

発達心理学においては、「産まれてから3歳までに脳の8割が完成する」と言われるほど、幼少期は神経機能の発達が著しい時期だそうです。子どもたちは、生まれてから3歳までに遊びの中で様々な運動刺激を受けることによって、動きや力のコントロールなどを習得することが出来ると言われています。


子どもは、まずは肩や腕、脚などの大きな動きをするようになり(粗大運動)、徐々に手首や指先など細かい動きも出来るようになります(微細運動)。このように、子どもの発達過程で相互に様々な運動刺激を与えてあげられるのが「遊び」だと言われています。
ただ、大人がお膳立てする義務的な遊びだけでは主体的とはなり得ず、遊びの持つ心身の発達へ与える影響を補完しているとは言いがたいので、あくまでも子どもたちが興味・関心、意欲をもって遊べる環境を保障していきたいと常日頃心掛けているところです。

次回は、「幼児の遊びが心身の発達に与える影響」について考えてみたいと思います。

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