今朝起きると、早朝の薄明かりの中にスズムシの鳴く声が聞こえてきました。
記録的な猛暑が続く中でも、季節は少しずつ秋に向かっているんですね。
さて、秋と言えば「研修の秋」とよく言われますが、本園でも盆明け以降、いろいろな研修に取り組んでいます。
まず1歳児のたんぽぽ組では、8月18日(金)に食事の様子をビデオで撮影してお互いに見合いました。
自分の保育の様子を他人に見られることは、保育者にとって かなり抵抗があることだと思います。
しかし、食事の場面において「子どもの育ちをどのように保障するかを検証するための研修」であることを事前に説明をして了承していただいております。
本園では「育児担当制」を取り入れ、食事の場面では1人の保育者が2~3人の子ども達に付いてサポートしています。
例えば1歳児はまだスプーンが上手く使えないため、山盛りのご飯をすくったりしますが、そうした場合には保育者が一口量に減らします。
こうしたことを繰り返す中で、「一口」という分量を経験的に身につけるのではと期待しています。
また、「一口量」が分かるように、保育者がお皿の隅にご飯やおかずを小分けするようなサポートもします。
子どもの味覚は概ね3歳頃までにはベースが完成すると言われていますので、この時期の対応を誤ると将来”偏食”につながらないとも限りません。
子ども達の食べる意欲を大切にしながら、楽しい雰囲気の中で食事ができるようにサポートに心掛けたいと思います。
そして、今週初めにはもも組の食事の様子をお互いに見合う機会を持ちました。(第一弾です)
こちらは自分で食べることができない乳児なので、より細かい配慮が必要となります。
乳児の食事については以前もも組のブログ(7/14)でも紹介されていましたが、原則はおさえていても 個々の保育者の捉え方には若干ズレが生じます。
そうした点を含めて、お互いの食事対応の様子を見合いながら、より良い対応の仕方を検証します。
経営の世界では「虫の目」「鳥の目」「魚の目」で物事を多角的な視点で捉えることの重要性が良く言われます。
「虫の目」は昆虫の複眼のように近くから多面的に捉えようとする姿勢で、今回の研修はこの「虫の目」に当たると思います。
しかし保育中のトラブルや活動が停滞する要因等を検証する時には、もっと広い視点…活動を俯瞰的に捉える「鳥の目」や、活動の流れ自体をふり返る「魚の目」の視点での研修も今後必要だと感じます。
他人の保育の欠点には気付けても、自分の保育に足りない面についてはなかなか気が付かないこともあるかと思います。大切なことは、いつも「完璧な保育など存在しない」という気持ちで、絶えず自分をふり返る姿勢だと思います。
全ては「子どもの安全を守り、育ちを保障するために」…客観的に自分の保育をふり返る機会となるように、定期的にこうした園内研修を重ねていきたいと思います。