~0・1・2歳児の保育に込めてきた思い ~
朝、保育室の扉を開けると、保育者に抱かれてほっとした表情を見せる子、気になるおもちゃへ一生懸命に手を伸ばす子、お友だちの姿を見て思わず笑顔になる子…
何気ない日常のひとこまですが、こうした小さな姿の一つひとつに、その子の成長につながる大切な意味が込められています。
今回から3回にわたり、出仲間こども園が大切にしている教育・保育について、日頃の子どもたちの姿と重ねながらお伝えしていきたいと思います。まず第1回は、0歳児から2歳児までの保育についてです。
🌟「預かる」だけではない、乳児保育への思い
当園は、長年「保育園」として地域の乳児保育に携わってきました。
今は幼保連携型認定こども園となりましたが、その歩みの中で大切にしてきたものは、決して変わっていません。
それは、まだ自分の思いを十分に言葉で伝えられない子どもたちの、小さなサインを見逃さず、一人ひとりと丁寧に向かい合うことです。
泣く、見つめる、身を乗り出す、手を伸ばす…その一つひとつが、子どもからの大切なメッセージ。
私たち保育者には、それを受け止め、気持ちに寄り添いながら、その子にとって必要な関わりを考える専門性が求められます。
乳児保育は、単に「安全にお預かりすること」ではありません。
生活そのものを通して人への信頼を育み、その子の「生きる力」の土台を築いていく営みだと考えています。
長年培ってきた経験と誇りを、これからも日々の保育の中で受け継いでいきたいと思います。
🌟安心できる人がいるから、外の世界へ踏み出せる
当園が「慣らし保育」ではなく「出会い保育」と呼ぶのも、子どもに園の生活へ一方的に慣れてもらうのではなく、子ども・保護者・保育者が互いを知り、信頼関係を築くことを大切にしているからです。
また、0~2歳児のクラスでは育児担当制を取り入れています。
食事や着替えなどの生活場面で、子どもの様子をよく知る保育者が継続して関わることで、「この人は自分の気持ちを分かってくれる」という安心感を育てていきます。
もちろん、担当する保育者以外とも温かな関係をつくり、職員全体で育ちを支えます。
こうした心のつながりを、発達心理学では「愛着(アタッチメント)」と呼びます。
安心して戻れる存在がいるからこそ、子どもたちは周囲の世界に興味をもち、「やってみたい」と一歩を踏み出せるのです。
🌟「できた!」の前に、「やってみたい!」がある
0歳児の子が、保育者の歌声に合わせて揺れるシフォンを目で追う。
指先でおもちゃをつまみ、何度も動かしては不思議そうに見つめる。
1歳児の子が、スプーンを持って自分で食べようとする。
大人には小さな動きに見えても、子どもにとっては大きな探究です。
思うようにできず何度も繰り返す時間こそ、「どうしたらうまくいくかな?」と試し、自分の力を確かめている大切な時間なのです。
保育者がすべてを先回りして手伝ってしまえば、早くきれいに終えることはできるかもしれません。
しかし当園では、年齢や発達に応じて必要な援助をしながらも、子ども自身が試す余地を残すことを大切にしています。
🌟2歳児へ ~「わたし」から「一緒に」へ
2歳児になると「自分で!」という気持ちが一段と強くなる一方、お友だちへの関心もぐっと広がっていきます。
同じおもちゃを使いたくてぶつかったり、自分の思いが伝わらず悔しがったりすることもあります。
でも、そうした経験を重ねながら、「貸して」「一緒にしよう」と言葉やしぐさで伝える力、相手にも思いがあることに気づく力が育っていきます。
ごっこ遊びの中では、一人で楽しんでいた世界に友だちが加わり、役割が生まれ、遊びの物語が膨らんでいきます。
ここに、3歳児以降の協同的な学びへとつながる芽が見えてきます。
🌟保育環境にも「向かい合い保育」の思いを
子どもが自分から動き、好きな遊びを見つけ、安心して過ごせるためには、保育者の関わりだけでなく、保育室の環境も重要です。
当園では、発達に応じた遊具の配置や活動の動線、落ち着いて過ごせる空間、音や光への配慮などを重ねながら、子どもが自ら選び、探索できる環境づくりに取り組んできました。
環境は、ただの「背景」ではなく、子どもの育ちを支える大切な存在なのです。
私たちが0~2歳児の保育で一番大切にしたいのは、「自分は大切にされている」「やってみても大丈夫」という感覚を、毎日の生活の中で育てていくことです。
それは、やがて「自分ならできるかもしれない」という自己肯定感となり、友だちと関わる勇気や新しいことに挑戦する意欲へとつながっていきます。
次回は、この土台の上に広がっていく3~5歳児の主体的な遊びと学びについて、子どもたちの具体的な姿からお伝えしたいと思います。










































