6月28日より3週に渡り熊本日日新聞の「科学する人」のコラム欄に『虐待で脳に変化実証』というタイトルで、福井大学の「子どものこころの発達研究センター」で活躍されている友田明美さんの記事が掲載されました。
最近「虐待」という言葉を聞かない日がないくらいに、痛ましい事件のニュースを耳にすることが多くなりました。「虐待」と言うと、何か身体的な弱者への暴力をイメージしがちですが、この友田先生は「マルトリートメント(不適切な療育)」という言葉を使い、強い言葉で脅されたり、家庭内暴力などを見聞きするだけでも、脳にいろいろなダメージを及ぼす危険性があることを実証、提言されています。
以前、「環境が人を育てる」という話をしましたが、それとは正反対の意味で、生活の中にある子どもにとっての脅威や劣悪な体験は、逆に子どもの発達を阻害することがあるのだなと考えさせられました。我々も人間ですのでついついイライラしたり、家族に思わず当たってしまうこともあります。問題はそうしたことが、自分でも気がつかないうちにエスカレートしコントロールを失って常態化してしまうことだと思います。
今回は自省を含めてこの話題を載せました。