青葉保育園に視察に行って感じたこと

福岡県の青葉保育園に主幹を含めた総勢6名で、視察研修に行ったことは先日報告しました。前回は帰途の新幹線の中で、スマホを使って投稿したものでしたので、ただの報告に終わってしまいましたが、視察に行って先生方がそれぞれに感じられたことがあったのと同じで、私自身もいろいろ考えさせられる内容がありましたので、今日はその第二弾の報告をさせていただきます。

 

 

 

今回は本年度より本格的に取り入れた「担当制」のことが頭にありましたので、未満児のクラスを特に重点的に見学させてもらいました。受入から食事・睡眠までをほぼ午前中かけて見せてもらいましたが、子どもたちはまるで一日の流れが分かっているかのように思い思いに活動し、穏やかに落ち着いた生活をしている姿を見せつけられました。我々の園での状況を重ね合わせると「何が、どう違うのだろう?」と真剣に考えさせられる光景でした。

 

 

 

 

 

 

 

しかし青葉保育園も「担当制」を導入した当初は、なかなかうまくいかず試行錯誤を重ねてきたとのことです。やはり、子どもたちに関わる先生方の想いや接し方、生活や活動に対する目的や目標設定・・・すべてのことが整合性を持ってブレることのない信念のもとに実践を積み重ねてきた凄味がそこに表れていると感じました。

 

 

 

 

 

青葉保育園の保育を見させてもらって感じたことは、特に乳児期における先生方の子どもへの接し方が実に丁寧だなということです。もちろん教室や遊び場の場の設定も大切ですが、「保育士そのものが環境」と言われるくらい、保育士の先生方(保護者の方も同じです)は子どもたちにとって大きな影響を与える「環境」なんだなと再認識しました。

 

 

 

 

 

例えば食事の場面でも食べさせるのではなく、子どもの「食べたい」という気持ちを最優先にして最初は手掴みから徐々に本人に声掛けし、表情や反応を見ながらスプーンに手を添えて、できるだけ自分で食べているような状況を作る。あるいは歩行が獲得できれば子どもたちはいろいろなところに興味を持ち歩いて行きます。その時保育者はその様子を見守りがながら、自主的・主体的な行動を認めてあげます。

 

 

 

 

 

「子どもに声掛けしたって、喋れないじゃないか」と思われるかもしれませんが、そうではありません、子どもたちの様子を見ていると、好き勝手に遊びに没頭しているようですが、一瞬担任の先生の方を振り返りニコッと笑うことがあります。まるで目的のものを手に入れて「やったよ!」と言わんばかりに・・・目的のものを手に入れたり、達成した時には自分の一番身近な大人と、その喜びを共有したいという思いは大人と同じだと思います。こうした子どもたちの一つひとつの行動を見守り、声かけや応答を丁寧に繰り返していく中で、子どもたちは「人とお話をしよう」というモチベーションを築き上げ、「ことば」に繋がっていくのではないでしょうか?

 

 

 

 

 

そうした安心感のある環境や雰囲気は子どもたちの心を開かせ、自分の思いを周囲の大人に伝えやすい状況を醸し出し、やがてそうした体験の積み上げが、将来のコミュニケーション力に繋がっていくのではないかと思います。「自分の気持ちをちゃんと人に伝えることができる」そうした経験を小さな頃から重ねていけば、すぐにキレたり、奇声を上げたり、口よりも先に手が出てしまうようなことも少なくなるように感じます。・・・この青葉保育園がそうであったように。

※注:掲載した写真は、全て当園のものです。

 

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