「いい夫婦の日」に思う

11月22日・・・本日は語呂合わせで「いい夫婦の日」と呼ばれています。
来年度入園に向けての園見学等も一段落といったところですが、最近特に感じることは、母親と共に父親が一緒に付き添われるケースが多く見られることです。

本日付けの熊日新聞に『「パパ見知り」は成長の証し』という記事が「くらし」の面に載っておりました。
「人見知り」という言葉は良く耳にしますが「パパ見知り」・・・何でしょう?
発達心理学に詳しい昭和女子大学の石井正子教授によりますと、「認知能力が高まってきた乳児は母親と父親の違いや抱き方の微妙な変化を感じ取れるようになる」とのことです。つまり母親の抱き方、接し方と、父親のそれとの違いを赤ちゃんが感じ取れるようになる「成長の証し」ということなのだそうです。ただ、このことを知らない父親が、赤ちゃんから突然の拒否反応を示されると、どう対処したら良いのか分からず戸惑い、時にはそれが高じてイライラ感がつのることもあるのではないかと思います。


母親と違って妊娠~出産という、十分に赤ちゃんと接する体験や準備期間が持ちにくい父親は、そうした思わぬ拒否反応に戸惑い、それが引き金となり虐待や傷害致死等の事件につながっていくケースも近年多くなってきています。そうした危機感をも記事は伝えています。


こうした事態を避けるためにも、父親に育児指導をしたり、何よりもっと赤ちゃんと向き合う時間を確保することが必要だと思います。男性の育休取得については、来年4月より新たな法整備もなされる予定で、近年意識も高まってきてはいますが、父親が育休を取りづらい職場の意識も根強く、まだまだ企業をあげて取り組もうとするケースは少ないようです。
OECD諸国では、経済を回すのは結局は「人」で、グローバル化や多様化の中、様々な問題解決能力を有するフレキシブルな思考を持った人材を育成していく上で「乳児保育」はとても大切な分野として早くから力を入れられてきました。日本においても、現在だけではなく「将来への投資」という視点で、先にあげた男性の育休を含めて、乳児保育にもっと重点を置いた施策が行われることを期待します。

冒頭の園見学に話を戻すと、父親が母親に付き添って来園される光景を多く目にするにつけ、虐待等暗い報道が相次ぐ中、少し安心した気持ちになる園長でした。

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