出仲間こども園「定期点検」ウィーク:後編

今年の「立秋」は8月7日(日)です。暦の上では秋ということになるのですが、現状はそれには程遠い猛暑の毎日です。 ただ、この頃から日も少しずつ短くなり、暑さも下り坂になっていくはずなので、涼しげな秋をイメージしながらこの猛暑を乗り切っていきましょう!

さて、前回に引き続き「教育・保育の定期点検」についてのお話しです。


昨日8月4日(木)に、「担当制」で有名な「やまぼうし保育園(兵庫県宝塚市)」の吉本和子先生に来ていただき、園での保育の様子を実際に見ていただきました。


主に低年齢クラスの保育の様子を見ていただいたのですが、保育士の対応だけではなく、室内の建具や遊具等の配置、園児の遊びの様子など細かくチェックされながら、ほぼ午前中いっぱい見ていただきました。


昼食をはさんで、午後は低年齢クラス担任の先生を対象に研修会を開きました。先生の保育に対する情熱はとても深く鋭いものでした。本園は「子ども主体」と言いながら、本当に子どもが主体となっているのか?余計な物や刺激が多く、子どもたちの遊びの集中力を奪ってしまってはいないか?…などなど、細かく具体的に指摘していただき、いろいろな面で新たな気づきがありました。


先生が強調されるのは「何のために?(目的、ねらい)」ということ…「担当制」というとどうしても形態やテクニックに走りがちですが、本当の目的は保育者と安定した安心の土台を築き、子どもの主体的な遊びを保障することが大前提なのでしょう。なのに私たちは良かれと思ってあれもこれも子どもたちに与えようとするのですが、そのことが過剰になり過保護・過干渉になっているのではないか?本当に必要なものは何なのか?など、いろいろと反省させられた思いです。
本日は前回ご紹介した佐澤先生にも年少・年中児さんを中心に活動の様子を見ていただいており、まさに出仲間こども園にとっての「定期点検」ウィークでした。


今の保育を始めるに当たって、きっかけとなった東京大学Cedepの遠藤利彦先生、福岡県「青葉保育園」の 飯田恵津子園長先生、そして今回のお二方…立場は違うものの、共通して言われるのが「0~2歳児の育ちの大切さ」です。


「子どもは3歳になるまでに脳の発達のほとんどが完了する」…よく言われることですが、その意味では大人の1日と乳幼児の1日とでは質的にも、その密度においても大きく違います。つまり子どもたちにとっては、この時期の一日一日がかけがえのない大切な成長の基盤となるのです。
私たちは今後もそのような意識を常に頭に置きながら、日頃の教育・保育を適宜振り返り、足りない栄養(新しい知識・視点)を補給し、余計な肉(過保護・過干渉など)はそぎ落として、子どもの健やかな育ちを保障していけるよう実践を重ねていきたいと改めて感じました。

掲載されている内容に関する情報は、記事の掲載日現在の情報です。
その後、予告なしに変更となる場合がございます事をあらかじめご了承ください。