少子化対策の記事に思う【前編】  ~「学び直し」~

3月1日(水)付けの熊本日日新聞に「出生数 初の80万人割れ~少子化 推計より10年超速く」と大々的に掲載されていました。

岸田総理も会見で「出生数過去最少という事態は危機的状況で、子ども政策具体化が重要」という認識を示すなど、今国会の大きな審議の柱となっているのは周知の通りです。

少子化の原因は「若者の経済的な不安定さや出会いの減少など、いろいろな要因が複雑に関わっている」とのことですが、やはり子育てや教育にはお金がかかり、その経済的負担の重さに「将来が見通せない」と出産、子育てをためらう人が多いことも大きく影響しているようです。

また、同日新聞の8面では東京大大学院の山口慎太郎教授が「効果的な少子化対策~現金給付より保育の充実を~」と題して、親の就業の有無にかかわらず、手薄になりがちな乳幼児保育については、その利用機会を広げていくべきだと強調されています。

「少子高齢化」は、将来の国の在り方を左右する長期的視野が必要な課題です。

父親の育児休業取得の促進、子育ての負担軽減、そして安心して子どもを預けられるような施策を政府には期待するばかりです。

一方「保育の充実」という視点で私ども保育に携わる者ができることは、親が少しでも安心して子どもを預けられる環境を作っていくことだと思います。そのためには、我々保育者が保育に関する知識や技能を常にアップデートしながら、子どもたち一人ひとりの育ちを保障できる実践スキルを身につけることが必要です。

10年20年前の教育・保育の考え方は、その後様々に形を変え、子ども理解の在り方も変わってきています。その流れに乗りながら、保育者も常に学び直しが必要だとも感じます。次回は、この「学び直し」という視点でお話ししたいと思います。

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