自分で考え動く力を!

本日付けの熊本日日新聞に「起業家教育 県内広がる~崇城大に部活動、熊本大にサークル~」と題して記事が載っておりました。内容は、アントレプレナーシップを学べる環境が 県内の大学で広がりつつあるというものです。

アントレプレナーシップとは日本語にすると「起業家精神」とも呼ばれ、「新しい事業を創造し、リスクに挑戦する」起業家に特有の資質を指す言葉だそうです。

全国の大学や高等専門学校における起業家教育実施の増加傾向を受けて、熊本県でも崇城大に続き熊本大学に「SIRKU(シルク)」というサークルが発足し、新興企業の育成や技術革新による社会課題の解決などに期待が寄せられています。なぜ今アントレプレナーシップ教育が求められているのでしょう?

文部科学省の調査によると、日本は諸外国に比べアントレプレナーシップに係る各種指標が相対的に低く、大学(学部・修士)におけるアントレプレナーシップ教育受講者は全体の1 %にしか過ぎないとのことです。

これに関して「SIRKU(シルク)」の顧問で、熊本大学の入江英也特任教授(49)は「『世界競争力ランキング』では、日本は30位台。マレーシアやタイなど東南アジア各国よりも後れを取っている。このままでは下がる一方だろう」と危機感を述べられています。

これらの要因としては、若者がチャレンジに伴うリスクを恐れたり、周りに起業家のモデルがないということなどが考えられます。が、同教授は「組織内にとどまると、上司に忖度した考えに陥りがちで、新たな発想や事業が生まれにくい。それが企業の成長力を失わせている。」と続け、学生時代からのアントレプレナーシップ教育の重要性を述べられています。

そう言えば2021年に「地球温暖化」に関する研究でノーベル物理学賞を受賞された真鍋淑郎氏も、日本の研究界に窮屈さを感じ、アメリカに移住されたことを思い出します。研究の分野とはまた違うかも知れませんが、クリエイティブなチャレンジを試みる起業家には、ある程度自由な発想を許容する社会の土壌が必要なのかも知れませんね。

アントレプレナーシップ教育の目的は必ずしも起業家を輩出することだけでなく、起業家マインドを持つ若者を多く育てていくことでもあるそうです。たとえ既存企業に就職しても、そうした資質を持つことができれば、新しいことを発揮できる力となり社会に貢献できると考えられます。そして起業家マインドを育むものは「自分で考えて動く」姿勢だと記事は結んでいます。

「自分で考えて動く」姿勢を、大きくなってからいきなり身につけるのはなかなか難しいと思います。

幼少期からいろんなことにチャレンジし体験する機会をできるだけ多く子ども達に保障していくことが私たちの使命でもあると、この記事を読みながら改めて感じた次第です。

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