11月も半ばを過ぎ、今年も残すところ1ヶ月余りとなりました。
先日のゆり組の「わくわく大作戦」及び ひまわり組の「保育参加」をもって年内の主な行事は終了しました。
ところで、2018年4月に「改訂認定こども園教育・保育要領」施行されましたが、それに伴って本園の「行事」の考え方も変えてきたところです。一般的な「行事」と言えば結果が全てで、それまでの保育者・子ども達の姿を なかなか見ることが出来ません。
ですが、当日へ向けての子どもたちの頑張る姿、協力する姿こそ、是非保護者の皆様にはご覧になってほしいと願っているところです。
本園における「行事」の捉え方は、あくまでも日々の生活や遊びの中で、子ども達が興味・関心を持った内容をベースに、保育者が適宜一人ひとりに応じて声かけや誘いかけをしながら1つの形にまとめ上げていく過程を重視しております。
「子ども主体=自由保育=放任」と誤解されることもあるかも知れませんが、子ども達に「自分で考える」「自分達で作り上げる・やり遂げる」体験を十分に味わわせるためには、どのような配慮や導きが必要なのかを考えることが 我々保育者の最大の課題だと考えております。
例えば10月に入ってから取り組んできた「わくわく大作戦」プロジェクトを例にとると・・・
お店屋さんごっこ
洗濯物干し
お料理ごっこ
そして…美容室
子ども達の日々の遊びの中には、様々なお仕事のエッセンスが盛り込まれていました。
そこで今回は「お仕事」ということを一つのテーマとして、子ども達が知りたい事、見てみたい物などを少しずつまとめあげてきました!
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5月に行われた避難訓練で、消防署のお仕事に興味を持った子どもたちは…
「消防署チーム」を結成!
実際に消防署に行って、消防のお仕事についていろいろな質問をする計画を立てました。
消防署の方からいろんなお話をお聞きしたり、地震や台風体験など貴重な体験をしました。
いろいろ分かったことを、みんなに発表しましょうね!
🥕 🍛 🥔 🍛 🥕 🍛 🥔 🍛
お料理に興味がある子ども達は、5月にジャガイモを収穫した体験もあり…
みんなで話し合って、カレーライスを作ることにしました。
その名も「クッキングチーム」!
事前に分量を調べての買い出しから、調理…そして後片付けまで…
お家の方が毎日、みんなのためにしてくれている一連のお料理作りの過程も「お仕事」とみなし、その大変さと感謝の気持ちを学びました。
🐘 🐯 🦒 🐻 🦏 🦁 🦛 🐵
動物が大好きな子ども達…いつもは表からしか見ない動物園…飼育員さんたちのお仕事ってどんなのだろう?
興味を持った子どもたちが「動物園チーム」を結成!
今回は特別にバックヤードを見せていただけることとなり、動物や飼育のお仕事についていろいろな質問をしました。
かわいい動物たちをちゃんと育てるためには、いろいろなお世話が必要であるということが学べた貴重な体験でした。
ということで「わくわく大作戦」は以上の3グループで取り組みました。
一つの単元を計画するときに、クラスに32名もいると 全員一斉に同じテーマで主体的な活動を確保することが難しいので、興味・関心に応じてグループごとの活動にすることは有意義に感じました。
興味・関心を同じくするグループなので、子どもたち同士でアイディアを出し合ったり話し合ったりする姿も見られ、ちょっとした小学校の「生活科」のような取り組みとなりました。
子ども達の日頃の興味・関心を活かした活動を用意する・・・その体験を発展的に活かせるようにその後の活動にも結びつけていく・・・言葉で表すと簡単なようですが、保育者にとっては実に実に大変な作業です。
興味・関心も、性格もまちまちで、気まぐれな子ども達一人ひとりの状況を把握し、それを一本の糸にまとめていく作業にはとてつもないエネルギーが必要です。
ある意味筋書きがない行事を手探りで発掘していくような大変な作業を、先生方には要求しているのかも知れません。
それでも先生方は文句の1つも言わず、「やり甲斐がある」と言って精力的に取り組んで下さいます。
保育者のなり手不足が言われていますが、やはり保育者にとって教育・保育に対するモチベーションはとても大切だなと改めて感じました。
現代はVUCA(ブーカ)と呼ばれる 先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態が続く時代だといわれます。
経済の低迷、少子高齢化・人口減少により、子ども達が大人になる頃は、今よりもっと厳しい社会になるかも知れません。社会の変化に適応し、自分で考える力を小さい頃から育むことは、今後ますます重要になると思います。
本園での生活を通して、子ども達が少しでもそうした「生きる力」を伸ばせるように、私たちも より一層努力していきたいと思います。