就学前のお子様をお預かりしている当園では、0歳児からの育ちを切れ目なく支えていくことを大切にしています。
そのために、子どもたち一人ひとりの発達や興味に丁寧に向かい合いながら、安心して過ごせる環境、そして自分から関わってみたくなる遊びの環境を整えるよう心がけています。
また、こうした当園の教育・保育の考え方を保護者の皆様にも分かりやすくお伝えするために、ブログ等で定期的に発信しています。
前回までは、「非認知能力」や「遊びが心身にもたらす影響」に視点を当ててお話ししましたが、今回は少し別の角度から、子どもの育ちを見つめてみたいと思います。
「目と手の協応」という言葉を聞かれたことがあるでしょうか。
私たちは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚など、さまざまな感覚を通して外の世界を知っています。
その中でも視覚は、物の形や色、距離、動きなどを知るうえで大切な感覚の一つです。
赤ちゃんは、成長とともに動くものを目で追うようになり、やがて興味を持ったものに手を伸ばしたり、触れたり、握ったりするようになります。
このように「見ること」と「手を動かすこと」がつながっていく経験が、いわゆる「目と手の協応」につながります。
たとえば次のような探索行動の中でも…
こうした一つひとつの遊びの中で、子どもたちは「見て、考えて、体を動かす」という経験を重ねています。
また、目から入ってくる情報は、手先の動きだけでなく、体全体の動きとも深く関わっています。
例えばボールを追いかける、転がってくる物を受け止める、段差をまたぐ、平均台の上を歩く、友だちとぶつからないように動く。
こうした動きには、物や人との距離、方向、速さなどを感じ取り、それに合わせて体を動かす力が関係しています。
つまり、「見る力」は、単に目で物を見るだけではなく、体をどう動かすかを支える大切な働きでもあります。
以上児クラスで行っている体操教室も、ただ運動の技術を身につけるためだけのものではありません。
これまでの生活や遊びの中で積み重ねてきた「見る」「触れる」「動く」「試す」といった経験が土台となり、その上に少しずつ運動への意欲や体の使い方が育っていきます。
たとえば、ボールを投げる、受け取る、避ける、蹴るといった動きも、目でボールの動きを追い、タイミングを合わせて手足や体を動かすことが必要です。
そのため、「体操教室に参加しているから運動が上手になる」という単純なものではなく、日々の遊びの中で体験しているさまざまな動きが、子どもたちの育ちを支えています。
当園では、子どもたちが運動を「できる・できない」で評価されるものとして感じるのではなく、「楽しい」「もう一回やってみたい」「体を動かすって気持ちいい」と感じられることを大切にしています。
その他にも当園では、年齢や発達に応じて、目と体のつながりを遊びの中で自然に育めるような環境や玩具を取り入れています。
また、子どもたちが触れて遊ぶ玩具についても、色合い、素材の感触、形、重さ、操作のしやすさなどを考慮しながら選んでいます。
遊びながら指先を使ったり、じっと目で追ったり、手元を見ながら操作したりする経験ができることを大切にしています。
このほかにも、子どもたちがじっくり手元を見ながら集中して遊べるよう、職員同士でアイデアを出し合い、手作り玩具も製作しています。
大切なのは、特別な訓練をすることではありません。
子ども自身が興味を持ち、夢中になって遊ぶ中で、見る力、触れる力、手指を使う力、体を動かす力が少しずつ結びついていくことです。
これからも、子どもたちが安心して遊びに向かい、十分に試し、できた喜びや満足感を味わえるよう、生活と遊びの環境を丁寧に整えていきたいと思います。
※イラストは生成AIで作成しています。


















