~ 3・4・5歳児の主体的・対話的な学び ~
ある子の「これ、つくってみたい!」というひと言から、友だちが集まり、相談が始まり、いつの間にか大きな遊びへと発展していく…
幼児クラスの保育室では、そんな場面があちらこちらで見られます。
子どもたちが自分で考え、友だちと力を合わせて物事を実現していく姿には、これからの学びを支える大切な力が表れています。
3回シリーズの第2回は、3歳児から5歳児までの幼児教育について考えてみたいと思います。
🌟2歳児から3歳児へ…学びは途切れず、つながっている
3歳児になると、生活の流れや保育室の環境、集団で過ごす経験が変わり、周囲からは「いよいよ以上児さんクラス」と見えるかもしれません。
しかし、子どもの発達は、誕生日や進級を境に突然切り替わるものではありません。
2歳児の時期に育ってきた「自分で選ぶ」「試す」「思いを伝える」「友だちに関心を寄せる」といった力が、3歳児の生活や遊びの中で少しずつ広がっていきます。
一方で、新しいクラスへの緊張や、まだ言葉にできない気持ち、生活の援助を必要とする姿も当然あります。
当園では「3歳になったから一斉にこれができるはず」と考えるのではなく、これまでの育ちを引き継ぎ、その子に必要な支えを続けていくことを大切にしています。
🌟3歳児~「一緒が楽しい!」を十分に
3歳児では、友だちと同じものをつくる、同じ場で遊ぶ、まねしてみるなど、「一緒にいること」の楽しさが広がっていきます。
例えば砂場で、一人がトンネルを掘り始めると、隣の子が手を貸し、さらに別の子が水を運んでくる…
はじめから立派な計画がなくても、遊びは子ども同士の関わりを通して少しずつ育っていきます。
互いの思いがぶつかることも学びの一部。
保育者はすぐに正解を与えるのではなく、それぞれの気持ちを言葉にし、友だちと折り合いをつけていく過程を支えます。
🌟4歳児~「どうして?」「こうしたら?」を面白がる
4歳児になると、遊びの中で「こうするとどうなるだろう」「別の方法を試してみよう」と、考えを深めていく姿が増えてきます。
遊びのルールを自分たちで確認したり、うまくいかなかったやり方を工夫したり、友だちの意見から新しい方法を見つけたり…
遊びは単なる気分転換ではなく、試行錯誤と対話の連続です。
勝った喜びも、負けた悔しさも、仲間と共有するからこそ意味があります。
感情を受け止めながら、自分の気持ちを調整し、相手の立場を考える力も育っていきます。
🌟5歳児~ 話し合い、役割を分け、みんなで実現する
5歳児のゆり組では、子どもたちが「マリオワールド」を構想し、飾りや招待状を工夫しながら、来てくれる人を思い浮かべて準備を進めています。
そこには、「何をつくろう」「誰がやろう」「どうしたら喜んでもらえるかな」という問いがいくつもあります。
自分の考えを出すだけでなく、友だちの話を聴き、得意なことを生かし、目的に向かって力を合わせる…こうした経験にこそ、幼児期の協同的な学びの豊かさがあります。
大切なのは、作品の出来栄えだけではありません。
考えが食い違ったときに相談し直したこと、うまくいかずに作り直したこと、誰かの工夫に気づいたこと、その過程すべてが「学び」です。
🌟子ども主体とは、「何でも自由に」ではありません
当園が大切にしている「主体性」は、単に子どもが好き勝手に振る舞うことではありません。
自分の思いをもつことと同時に、相手の思いに耳を傾け、ルールや約束を考え、責任をもって取り組むことも含まれています。
そのために保育者は、子どもたちの言葉を丁寧に拾い、必要な素材や時間、安心して挑戦できる環境を整えます。
時には問いを投げかけ、時には見守り、必要な場面では援助する。
その専門的な関わりがあってこそ、遊びの学びは深まっていきます。
単に人が集まっているから「集団」ではなく、お互いに影響を与え合ってこその人間関係。
英語や体操、音楽などのさまざまな活動も子どもたちの世界を広げる大切な機会ですが、当園の教育・保育の中心にあるのは、子ども自身が心を動かして取り組む「遊び」です。
0~2歳児期に育った安心感と「自分でやってみたい」という意欲が、3~5歳児期には「みんなで考え、つくり上げたい」という力へと広がっていく…
私たちはこのつながりを大切にしています。
次回は、その育ちを小学校へどうつないでいくのか。「幼保小の架け橋期」をテーマにお届けします。










































