切れ目のない教育・保育を目指して!

先日の保育施設での虐待事件、福岡でのバス閉じ込め事件・・・子どもが巻き添えになる事件を見聞きするたびに心が痛みます。また、数多ある職種の中で保育という道を目指された方がどうしてこのような行為に及んでしまうのか理解に苦しみます。


私にも子どもがおり、「学校でのうちの子どもはどんな様子なんだろう?」と仕事中にも頭をよぎることがあります。保護者の皆様もきっと同じで「うちの子は園でどんな生活をしているのだろう?先生やお友だちとちゃんと園生活を送れているのだろうか?」などと不安になられる瞬間がきっとあるのではないかと思います。


世に様々な教育・保育の方法論はあると思いますが、それはあくまでも「手段」であって、「目的」はどのような教育・保育施設においても、等しく子どもたちの健やかな成長を保障することであることは間違いないと思います。当園では、子どもたち一人ひとりに丁寧に向き合い、自己肯定感を高める中で、意欲的に園生活を送れるように「育児担当制」やチーム保育を取り入れています。そんな中で、職員の配慮を欠いた言動が、もしもお子様や保護者の皆様の気持ちを傷つけている状況があったとしたら全く本末転倒であるとも感じます。


キャリアが長くベテランといわれる保育者ほど、確固たる自信や信念がある反面、柔軟さを忘れていることもあります。「クラスをまとめなきゃ!」・・・その思いが強いために、ついつい子どもを急かしたり、集団を意識し過ぎるが故に、一人ひとりの子どもたちの思いや成長に十分寄り添えない場合もあると思います。ですので、当園では担当制やチーム保育が思い先行になり過ぎないように、職員全体で適宜「振り返り」を行うように心掛けています。


当園で常に意識していることは、「担任にとって子どもはクラスを受け持つ間だけの存在でも、子どもにとっての生活はこれまでも、これからもずっと切れ目なく続いていくものだ」という視点です。ですので受け持ちの子どもが進級する際、送り出す側はそれまでの子どもの育ちを次のクラスに丁寧に申し送り、受け入れる側は、その思いをしっかりと受け取り、それまでの育ちをベースとした教育・保育に心掛ける姿勢が大切だと思っています。

このリレーを続けて、最長6年間の在園期間全体で、一人ひとりの子どもの成長を切れ目なく育み、小学校の生活へと繋げていこうという姿勢を、本園では理想にしたいと思っています。

掲載されている内容に関する情報は、記事の掲載日現在の情報です。
その後、予告なしに変更となる場合がございます事をあらかじめご了承ください。