「スマホ子守」とVR:熊本日日新聞記事より

阪神・淡路大震災が発生して今日で28年が経ちます。ニュースで慰霊のつどいの様子を見ながら7年前の熊本地震を重ね合わせ、改めて自然災害の恐ろしさを感じたところです。科学技術がもっと発達して、こうした大災害の予知・予測ができるようになればと願うばかりです。

さて、昨日付けの熊本日日新聞に『日常的な「スマホ子守」注意~情緒的発達に悪影響の恐れ~ 』という見出しで記事が載っていました。

機嫌が悪い子どもに、親がスマホを与えておとなしくさる「スマホ子守」を日常的にやり過ぎると、子どもの情緒的な発達に悪い影響を及ぼす恐れがあるとするアメリカの大学機関の研究結果が紹介されました。

この研究では日常的に「スマホ子守」に頼る頻度が高い子ほど、自分の感情をうまく制御できなくなる「情緒制御不全」の傾向がみられたそうです。

よく言われることですが、スマホ使用に関しては、やはり時間と目的を決めて使用することが大切なのでしょう。科学技術の進歩によって生活は便利になりましたが、それに頼りすぎると心身のバランスを崩しかねないという警鐘と受け止めたいところです。

それとは別に、同日の新聞にはもう一件新しい科学技術に関する記事が載っていました。発達障がい児独特の視線や感覚の特徴についてVR(バーチャル・リアリティ)を使って迫ろうとする研究記事です。

熊本大学生命科学研究部の大河内彩子教授を中心としたメンバーの研究によると、周囲に刺激が多かったり騒がしい場所では集中できず情報の処理が難しいとされてきた発達障がい児…。実は意識を集中してはいるものの、一つのことに集中しすぎて反応が遅れる「過集中」の現象が起きているのではないかというのです。
これは人の意識が集中する視線を可視化できるVRという科学技術があってこその成果で、こうした特徴を踏まえた上で適切な配慮ができれば、子どもたちが抱える「生きづらさ」の理解や適切な支援につながるのではないかということです。

今回は二つの記事を紹介しましたが、科学は便利さのみ追求すると思わぬ落とし穴がある反面、使い方次第では人間の可能性を広げる技術だということを改めて感じた次第です。

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