私たちの園では、子どもたち一人ひとりが持つ可能性を信じ、日々の保育を通してその芽を丁寧に育てていくことを大切にしています。
子どもたちの笑顔や成長の瞬間に寄り添いながら、保護者の皆さまと共に歩んできた日々を振り返る中で、改めて私たちが大切にしている教育・保育の在り方を見つめ直したいと思うようになりました。
今までの教育・保育を振り返り、今後につなげていくために、改めて当園で大切にしている教育・保育の特長について整理したいと思います。
ホームページ上でも説明おりますが、当園では、3歳までに学びの土台となる「自己肯定感」を育むとともに、3歳以降は、認知能力である知識・技能はもちろん、非認知能力である表現力・人間性も身につけられる環境を整えていきたいと考えています。
「非認知能力」…というワードを最近よく耳にするようになりましたが、具体的にどのような能力のことを指すのかピンとこられない方もいると思います。
簡単に言えば、読み・書き・計算力など知能テストで測れるスキルを「認知能力」と言うのに対して、「非認知能力」とはテストでは測れない能力のことで、例えば「やり抜く力や協調性、自制心、創造性」などが含まれ、人格形成や学習に大きく影響するとされています。
こども園の教育・保育の指針となる「認定こども園教育・保育要領」においては、非認知能力という言葉は直接的には使われていませんが、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿として、下図のような10の資質・能力が示されています。
平成30年の4月1日から改訂・施行された「認定こども園教育・保育要領」に呼応するように、小学校の学習指導要領も改訂され、この幼児期の終わりまでに培ってきた子ども達の資質・能力を保幼小の職員で共有・引き継ぎをし、小学校就学後は、生活科を核とした「スタートカリキュラム」と呼ばれる総合的な授業へとつなげていこうとするプログラムが現在試行されています。
当園の教育・保育においては、こうした子ども達の姿を育んでいくために、いろいろな環境設定や子ども達との関わり方について、絶えず検証しております。
【おままごと遊び】
おままごと遊びでは、自分なりの世界観を想像して表現することができます。
身の回りのおもちゃをいろいろな物に見立てて、自由に遊びを作り出すことで、発想力を豊かにすることができます。
また、おままごと遊びでは、友達との関わりを通して、コミュニケーション力を身につけることができます。
自分の気持ちや考えを伝えたり、相手の気持ちや考えを理解したりすることで、共感や思いやりの感情を育むことができます。
【積木・ブロック遊び】
手元に意識を集中して取り組むことができる遊びです。
また、積み上げたり組み合わせたりする時には、バランス感覚や空間認知力も必要になります。
集中力を高めることで、問題解決力や忍耐力を身につけることができます。
また、積木・ブロック遊びでは、自分だけの自由なイメージで表現することができます。
色や形の違う積み木やブロックをいろいろな物に見立てて、自由に遊びを作り出すことで、創造性を豊かにすることができます。
同時に自分がやりたいことに夢中になったり、上手にできるようになりたいという気持ちから、試行錯誤や工夫をすることで、やりぬく力を養うこともできます。
【歌・リズム遊び】
歌・リズム遊びでは、音楽に合わせて歌ったり、体を動かしたりする中で、自分の気持ちや考えを音楽を通して表現することができます。
音楽を通して、言葉だけでは伝えられない感情や思いを表すことができ、表現力を伸ばしたり、自己肯定感や自信を高めることにもつながります。
また、歌やリズムに合わせて、友達と一緒にコミュニケーションを取りながら遊ぶことができます。
そうした中で協調性を高めたり、共感や思いやりの感情も育むことも期待できます。
【砂あそび・泥んこ遊び】
砂遊びや泥んこ遊びは、子どもにとって自然と触れ合う貴重な機会です。
砂や土に触れることで感覚が研ぎ澄まされ、五感が発達するため、脳への良い刺激を与えます。
また、砂や泥の形や質感を自由に変えることで、想像力や創造力を養います。
さらに、道具の貸し借りや作品の共有などによって、コミュニケーション力や協力する力を身につけます。
【自然に触れる遊び】
自然の中には、子どもの好奇心を刺激するさまざまな現象や疑問があります。
「なぜ葉っぱは色を変えるの?」「なぜダンゴムシは丸くなるの?」など、ささいな疑問を自ら考えるのが自然遊びのメリットです。
また、保育者や友達と自然の中で一緒に遊んだり、感想や質問を伝えたりすることで、コミュニケーション力や協力する力が身につきます。
このように子ども達は毎日の生活の中で、保育者やお友だち、外のいろいろな環境に触れながら、いろいろな体験を重ね、成長しています。
ということで、今回は小学校就学までに向けて培っておきたい「非認知能力」ということに視点を当ててお話ししてきました。