家庭とこども園は子育ての両輪

年長児さんが園を卒園して、小学校へ進学するまでの期間も残り少なくなってきています。例年この時期になると、園の方から、在園する子どもたちの様子を進学する小学校の先生へ伝える機会も増えてきます。そうした中で、熊本日日新聞に次の記事を見つけました。
「保育園からの引き継ぎ 保護者のことも 情報貴重」・・・「学校は保護者のことをもっと知りたい」という主旨の内容が書いてありますが、実は園としての思いも全く変わりはありません。子どもたちは園だけで成長するわけではありません。ご家庭でのお子様の様子を伺って園の生活へつなげていく、逆に園の方からもご家庭に様子をお伝えして、協力してできることは連携して取り組んでいきたいと思っています。そうすることで生活習慣や心身のスキルの定着が効果的に図れるのではないかと思います。

 

同時に、生活の中で、子どもたちの様子に気になることがあったとしても「放っておけばいつかは治るだろう」と何もしないで見過ごすことや、本人の示すSOS自体に気づけないこともあるかと思います。同日の新聞に医学博士で臨床心理士の宮口幸治氏による『生きづらい子ども「境界知能」発見、支援を』という記事も掲載されていました。困っている気持ちを周囲に伝えられない、生きづらさを感じている子どもたちは思った以上にたくさんいるのではないでしょうか?子どもの発するSOSのサインに気づいたときに周囲の大人は、遠慮なく園や関係機関に相談してほしいと常々思っています。

どうしても他の子と比べて「遅れている」「劣っている」などというマイナスイメージが先に立つこともあるかも知れませんが、そもそも成長というものは、心身面の発達のバランスの問題ではないかと思うのです。
この世に「完璧」な人間など一人もいません。(進化しない、達成感やスキルアップの喜びも実感できない人生は味気ないですよね)私も含めて、誰だって多かれ少なかれ、発達やスキルに偏りはあると思います。


ただ、乳幼児期の子どもたちの発達には、大人より大きな伸びしろがあると思います。偏りがあるとすれば、共感的な理解や、その子の発達に応じた対応など、早いうちからその部分に支援の手を差し伸べていけば、その後の可能性はもっともっと広がっていくでしょう。そして、そのためには、園と保護者との連携が欠かせません。前出の記事の著者である名古屋市立小非常勤講師、学校マガジン「おそい・はやい・ひくい・たかい」編集人の岡崎勝氏は記事の中で危惧されていますが、是非『「家庭と学校は子育ての両輪なのです」という話は、はるかかなたM78星雲の話になってしまったようだ。』などと嘆かずに、こういう時代だからこそ、お子様のことについて、保護者の皆様と一緒に考えていきたいと思いますので、どんな些細なことでも、園や担任の方へも遠慮なくご相談ください。

 

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